膀胱がんの検査と治療

膀胱がんとは

膀胱がんとは、膀胱(尿をためるための臓器)にできるがんです。
初期状態は膀胱の粘膜にできます。最初のうちは痛みを伴わずに血尿(無症候性肉眼的血尿)が見られるのが特徴的な症状です。膀胱癌は徐々に進行していくと、下腹部痛や頻尿などの症状が出てきます。
発生する癌の種類としては、移行上皮癌が最も多くみられ、男性は女性の3倍とも言われています。
また、膀胱癌の多くは粘膜内でとどまる表在性のものですが、浸潤性を示す場合もあるため、放置をするとリンパ節や他の臓器に転移をする場合もあります。
いずれの場合でも、血尿が出たら早めに泌尿器科を受診しましょう。

膀胱がんの検査

尿検査

先ずは外来で血尿や尿中癌細胞の有無を調べます。

超音波(エコー)検査

下腹部にプローブをあて、腫瘍の有無を確認します。
ゼリーを塗るため冷たさを感じますが、殆ど痛みのない検査が可能です。

内視鏡検査

尿道から小さいカメラを挿入し、肉眼的に確認する検査です。
肉眼で腫瘍の有無を確認でき、病院などでは生検(組織検査)を行う場合もあります。

CT・MRI検査

断層画像の確認や、人体内部を画像化することで、より正確に病変部位が確認出来ます。
※膀胱癌の部位や腎盂尿管癌などの併発を確認できます。

膀胱がんの治療

膀胱がんの基本治療は手術となります。膀胱がんの手術には内視鏡を使用した手術と開腹して広範囲の部分(膀胱全摘除術など)の2つがあります。検査によって分かった病巣の進行具合や、患者さんの状態に合わせて術式が異なります。早期発見であれば摘出範囲が少なく済むため、日常生活への復帰が早い内視鏡手術が選択されることが多いです。また、いずれの治療も入院を伴う手術となるため、基幹病院などでの手術が一般的です。

その他の治療方法としては、抗がん剤治療やBCG注入療法があります。

BCG注入療法とは

内視鏡的な治療が困難で、上皮内癌や多発性・浸潤性を認めれば全摘出が必要となります。それ以外の症例に対して行われる注入療法です。
BCG(弱毒化した結核菌)を、直接膀胱内に注入し、2時間程度排尿を我慢してから排尿します。これを週1回、6~8回繰り返します。副反応が出現する可能性もありますが、これにより80~90%のがん消失が見込まれます。